ベントン並みに子供の扱いが下手

公園の池で水鳥に餌付けをしていた際、なんとなく右後方から小さい人が接近してきているのはわかっていたのだけれど。まさかその男の子(推定三歳)が私の真横に来て「ごはんー。ごはんー。鳥さんにごはんー」と繰り返し言いながら、自分も餌やりたいよう的雰囲気でおねだりしてくるとは、予想はしていたものの、対処に困り、少しばかり途方に暮れてしまった。
あー、うー、どうしようと一頻り思案した後、勇気を出して「ボ、ボクも、あ、あげてみる?」とナチュラルにどもりながら、一握りのさいの目カット済み食パンを推定三歳に向かって差し出したその時には、推定三歳は既に他の対象物に目を奪われ始めたのか、まるでコメディ映画のように私をスルーしてくれた。完全スルー。
うわ、どうしよう。私、このパン、どどどうしよう。などとドギマギしている私に、彼の母親が一言「どうも、ごめんなさいネ」と色んな意味がくみ取れそうな優しい笑顔で……。いや、こちらこそ、どうもごめんなさいネ。
ERシーズンⅢで小児外科を選択したDr.ベントンが患者である子供達への接し方に難儀しているのを観て笑っていた私、もまた、彼と目くそ鼻くそレベルの子守スキルしか持ち合わせていない事に改めて気づいた日曜の午後の出来事。