伝承できない味。

母から料理のいろはを手取り足取り教わる機会がないままに、一人暮らしが始まり、作りたい料理があれば本を見るか、あるいは母から受話器越しに簡単なレシピを聞くだけという有様だったので、私の料理はほぼ我流であります。
昨夜母が肉野菜の炒め煮を作る様を見ていて、あの頃にもしこの人と一緒に暮らしていたとしても、この調理技術は修得できなかったろうな……と思ったのは、彼女の味付け方法が、次から次へなんでもかんでも*1鍋へ投入してしまうという男気たっぷり、テキトウに過ぎるやり方である事を再確認したから。分量きっちり派の私には真似できない。
とはいえ、一歩間違えれば食えたもんじゃなくなる可能性もあるところ、ギリギリの線で大抵は美味しく頂けてしまうあたり、さすがベテラン……と少しは尊敬したりもしています。

*1:冷蔵庫の中にある残量わずかな調味料が全部投入された。