『バッファロー・ソルジャーズ 戦争のはじめかた』

人は大抵、夢の中であっても自らの死ぬ“瞬間”を本能的に回避するものだ。って、何かの授業で聴いた覚えがあるんだけれど、この映画の主人公は落ちる夢を観ては必ず、ビターンと地面に叩きつけられる人みたいで。あー、この人は相当病んでいるんだなー、と冒頭いきなりの落下シーンを見て思った。
冷戦下の西ドイツに駐留する米軍基地が舞台のこの話に戦争は無縁ゆえ、のどかで退屈極まりない。あまりの退屈って人をアホにしてしまうのか、軍規はゆるゆる、命令系統はグズグズ(エド・ハリス演ずる上官が主人公を叱責した直後、言い過ぎたよ…ゴメンよ…とご機嫌を取るのには笑った)、兵士は悪さし放題だし。そんなダメ兵士な主人公をホアキン・フェニックスが好演していて、今までかなり嫌いな役者さんだったのが一気に好きリスト入り。
テンポはいまいちだったけれど、音楽と映像のトーンが私のストライクだったので最後まで楽しめた。もう一回観よう。

関係ないけど『ア・フュー・グッドメン [DVD]』のジェサップ大佐(ニコルソン)が見たら激怒モンだと思った、あの基地。