連休を有意義に過ごす。

ミステリー・メン [DVD]

  • キンカ・ユーシャー監督『ミステリー・メン』

ベン・スティラーの名前を見ると借りたくなってしまう病を患っています。
チャンピオン・シティを守るヒーローとして皆から慕われているキャプテン・アメージング(グレッグ・キニア)が失踪。その彼を救い出そうと乗り出したのは、正義のために戦い続けて十数年ながら、未だぱっとした活躍も出来ないまま、市民からも馬鹿にされている三人の自称スーパー・ヒーロー達だった。長すぎる下積みを積んだ、ヒーローを夢見る彼らの奮闘、活躍ぶりが笑える一作。
シャベル扱いは達人級:愛妻家のシャベラー(ウィリアム.H.メイシー)、フォーク投げの達人:母親と二人暮らしでフォークはいつでも自宅から拝借のブルー・ラジャ(ハンク・アザリア)、怒れる男:特技はブチ切れのみのミスター・フューリアスベン・スティラー)の三人は、自分たちだけでは救出はとうてい無理と(自覚できるところが謙虚だ)、志を同じくするヒーロー達を探すのだけれども、探す側が探す側なだけに、集まった人材も当然のごとくキテレツな人ばかり。誰にも見られていないときにだけ透明になれる少年や、激しく臭いおならを放つニキビ男、無念の死を遂げた父の頭蓋骨を仕込んだボーリングの球を駆使し戦う女戦死ボーラー(この人は数少ないまともな戦力)、彼らを真のヒーローと成長させるべく導く怪しい指導者、人を殺さない武器しか作れない博士(トム・ウェイツ)など、ヘッポコ軍団大集合!てな感じなのだけれども、その駄目っぷりが愛らしくもあるナイスキャラばかりで、思わずほくほくしながら観てしまった。頑張れ、ヘッポコ!で85点。
ヒーローも悪人をやっつけてなんぼな役目というのは理解るのだけれども、活躍しすぎて悪人が枯渇してしまい自身の存在意義を見失い、あげく自らの手で最強の敵カサノヴァ(ジェフリー・ラッシュ)を街に解き放ってしまうあたり、キャプテン・アメージングの駄目っぷりも相当なものだと思った。あと、アメージングはヒーローを職業として割り切っていたけど、三人はその力を天からの授かり物として(微妙な特技をそう感じちゃうところがすごいとも思うけど)使命感を持ち続けていたから最後までやり通せたんだろうなあ……なんて思ったけど、多分そんなに深く考える必要はなさげ。


ベティ・サイズモア [DVD]

  • ニール・ラビュート監督『ベティ・サイズモア』

気だての良い田舎町のウェイトレス、ベティ(レニー・ゼルウィガー)は昼メロの大ファンで、毎回欠かさずに番組を観ている。ドラマの世界に没頭する様はまるで現実世界から逃避してるみたいだな、と思ったら案の定旦那は糞野郎で、納得。ある日、その糞旦那がナニされる様子を目撃してしまったベティは、現実とドラマの区別がつかなくなり、ナニしたはずの旦那に書き置きを残してドクター・ディヴィットを探して旅に出てしまうのだけれど、彼女の乗った車には旦那をナニした奴らの求める何かが乗ったままだったから、さあ大変というお話。
コメディの棚にあったのに、あまり笑えない作品で、とにかくベティとそれを追うモーガン・フリーマンが、共にイっちゃっているなあという印象しか残らない。ドラマの主人公、ベティの恋するドクター役でグレッグ・キニアが出演していたけれども、単に自己中の嫌みな男としか見えなくてもったいない使い方をしているなあと感じた。とはいえ、レニーさんの愛らしさだけで最後まで観れた、そんな感じ。50点。


ステップフォード・ワイフ [DVD]

仕事を干されたTV局の元敏腕プロデューサー、ジョアンナ(ニコール・キッドマ)が、家族と共に新しい環境で新しい生活を始めるためやってきた街、ステップフォード。そこは全てが完璧のように見えて、どこかが変。好奇心からその謎に近づいてしまった、ジョアンナを含め新参者の三人の妻(ゲイ含む)達もステップフォード式の洗礼が!?
というような話なのだけれども、観ているうちに、ステップフォード式を求める面々の気が知れないというか、それでいいのかお前らと片っ端から殴りつけたくなってしまった私は、当然のようにかかあ天下出身者。話自体は面白かったんですけども。70点。
ステップフォードの街同様、お金のかかっているのがよくわかるセット、衣装、美術は完璧な感じで、とりわけニコール・キッドマンの生きたバービー人形状態の美しさには、ほうー、とため息が出ましたよ。


イノセンス スタンダード版 [DVD]

攻殻機動隊』を観た事がないのに、先にこっちを観てしまうのは間違ってるのかなあ……なんて思いつつ事前情報ほぼ皆無のまま鑑賞。(付録で豆知識的な15分の解説があったのでなんとか解ったので結果オーライ)
話自体はものすごく面白かったのだけれども、それとは全然関係無いところで気が逸れてしまったのが無念であります。集中しろ自分!と言い聞かせるも、私の耳は未だにER病*1に侵されているから、主人公バトーはDr.ベントン、監察医はコーデイ、捜査会議ではコバッチュとカーターの声が聞こえてきちゃう始末で参った。(まあ、実際同じ声なんだけどもさ)


コンスタンティン [DVD]

映像が、なんともいえず綺麗。地獄ですら綺麗。とりわけ目を奪われたのが天使の羽で、私がつねづね夢の中で思い描いていたまんまの姿(この年になって天使を夢に見る自分もどうかとは思うが)だったものだから、ヘンに興奮してしまった。なんかいいもの見せてもらったなあという、そんな感じ。夢中で見たよ。で95点。
というかこれが方々で禁煙推奨映画と評されていた理由がわかってすっきりした。あの肺の影を観せられてなお、スパースパーと吸い続けるコンスタンティンは漢だなあと感心、は、しないけれども。戦う姿は(ヒロインと安易に接吻したりしない硬派さも)心底、漢だなと思った。
本筋とは関係ないが、最近エンドロールが流れた後にワンシーン残されている、油断できない作品がちらほらあって、まさかこれもそうじゃないだろうなあと思っていたら、見事に残されていた。ホント、気を抜いたらいけないなと褌(履いてないけど)を締め直した次第。


マーズ・アタック! [DVD]

火星人が遠路はるばる、友好目的なんぞで来訪するか普通……と思うのだけれども、ニコルソン演ずる大統領はじめ、側近の科学者(ブロスナン)などなど楽観的に過ぎる面々ばかりで、結果えらい目にあう地球、危機一髪!な映画。
邪悪なまでに前言を裏切る火星人のいやらしさや、その撃退方法のバカバカしさに笑わされた、よくできたおバカ映画。無駄に豪華な出演陣がまたおかしい。トム・ジョーンズと一緒に歌いながら見ました。90点。もっと早く観とけば良かった。

*1:ERを短期間に一気に観てしまったせいで、ERメンバー担当の声優さんが他所で声をあてていても、どうしてもERの誰々と当てはめてしまう難病。