ダメだけど、ダメじゃない。
ダメ男の登場する映画を立て続けに二本鑑賞。完璧すぎる人は描くに値しないとまでは言わないけれど、人間らしさを表現しようとすると、良い部分よりも悪い部分を誇張した方が、観る人の心の中に何かしらのものを残すことが出来るんだろうなあ……と、ダメ人間鑑賞愛好趣味を正当化してみたり。
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タナカくんの何がとりわけダメといえば子供なところで。子供だから、人の気持ちや気遣いにも気づかないし、コロっと騙されたりしてしまう。その象徴かしらないけれど、彼の部屋にはおそらく小学校時分から使っていたであろう学習机が普通に置かれ使われていたりして思わず吹き出してしてしまった。
そんな彼が立て続けに降りかかる不運の果てに何かに気づくのだけれども、その姿はものすごく清々しくて、このときのために幾多のダメを重ねていたのかしらと、思ってみた。わたしのダメライフもいつか清々しい結末を迎えることができればいいな……。
物語とは全然関係無いけど、タナカくんの勤務先する遠山カツラ工場に、高橋克実さんや昭和のいるこいるさんなど、頭髪の乏しい人たちが上司・同僚として、自前のアタマで登場していたのを見て、お客のヅラよりまず自分を!と思った。あと、鳥肌実さんの声はものすごく好き。ということを改めて自覚しました。
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映画からTVドラマへと転落してしまった落ち目の俳優ジャック(ウィル・フェレル)が、『奥さまは魔女』のリメイクにあたって、ダーリン役の自分を引き立てるため、サマンサ役に起用する素人の女優を捜していた。そこで偶然に主人公に出会い、この人だ!と思ったことから始まるラブコメディ。ジャックはとにかく自己中で傲慢。そのくせどこかへたれだったりするのだけれど、そこらへんが惹かれるポイントだった、のか。いまいち入り込めないまま鑑賞終了。
主人公二人よりも、脇役のイザベル父(マイケル・ケイン)やサマンサの母親役を演ずる女優(シャーリー・マクレーン)の方が存在感があったような気がする。というか、シャーリー・マクレーンは本当に魔法が使えそうな雰囲気のあるオババですね。好きだけど。