ボブ・ジラルディ監督『ディナーラッシュ』

2001年作品。イタリアン・レストラン“ジジーノ”のオーナーであるルイス(ダニー・アイエロ)、その息子でチーフ・シェフのウード(エドアルド・バレリーニ)をはじめとする従業員たち、訪れるお客たちなどを、淡々とというか抑え気味に、あったか目線でもって描いた群像劇。レンタル店ではサスペンスに分類されていたけど、そこらへん隠し味程度だった気がする。

冒頭いきなり起こる悲しい出来事。そのバックに流れる歌曲はすごくベタなんだけれども、それだけにそのもの悲しさもものすごく、やられた。その後オープニングタイトルで次々映し出される町並みや舞台となる店内の様子。ただの立てかけられた自転車だったり、ただの使われるのを待つグラスでしかないくせに、へんにこころに引っかかってくる感じ。もろ自分の好みにドはまりで、こころわしづかまれまくりの一本だった。
選曲や映像にくわえて、全盛期の杉良太郎かこいつかというぐらいの“ウードの涼やかな流し目”にも、やられた。そんな流し目ウードさんは新進気鋭の天才シェフ。後半、すました感じの料理評論家がそれこそ皿をなめる勢いでガツガツとウードの料理を口に運ぶさまはお行儀が悪すぎて、少し引いたが、大いに納得した。流石天才だねと。そんなに美味いのかいと。