ジェシー・ディラン監督『ペナルティ・パパ(KICKING&SCREAMING)』

2005年米国作品。劇場未公開。マッチョで強引な父バック・ウェストン(ロバート・デュバル)と、そんな父から長年にわたり圧倒されっぱなし負かされっぱなしの息子フィル(ウィル・フェレル)とが、それぞれの息子たちが所属する少年サッカーチームの監督としてぶつかりあうことに……という家族モノの喜劇映画。

主人公のフィルはウェストン家家訓「息子は父親には決して勝てない!」を不本意ながら身をもって実践してしまっている人なんだけれども、そのダメっぷりを終始全身を使って表現するウィル・フェレルはすごい俳優さんだなあと感心。この人は痛い顔の名人だ。
話の筋は、フィルの率いる弱小チームがバック率いる強豪チームに挑むために日夜奮闘する……というとまるでがんばれベアーズみたいだけど、見どころはそこじゃなく、飽くまでも主人公の追い込まれっぷり、ブチきれっぷりにあったような気がする。
それにしてもアメリカ映画には、父と息子の関係を軸にした映画が多いなあ。この作品もその極端な一例をコミカルに描いた作品なんだけれども、こういうのを見るたびに、日本の父と息子との関係って(亀田兄弟だとか室伏家だとかは別にして)アメリカのそれに比べると淡白だなあと思う。いい悪いの問題じゃなく、違うなあって。