ジェームズ.L.ブルックス監督『SPANGLISH』

2004年米国作品。メキシコからロスへ移住してきた女性フロール（パズ・ヴェガ）は一人娘クリスティーナ（シェルビー・ブルース）を育てるため、裕福なアメリカ人クラスキー一家の家政婦として働くことになった。その家は新進気鋭のシェフ、ジョン（A.サンドラー）とその妻デボラ（ティア・レオーニ）、おばあちゃんと子供二人の５人家族で、フロール母娘はこの人たちと少しずつ交流してゆく……というお話。

スパングリッシュ [DVD]

フロールは当初、この家族には干渉せず仕事と割り切って接してゆこうとするんだけども、これは裏を返せば、自分の家族もまた、他人から干渉して欲しくないという意思の表れだったんだろうと思う。異なる文化、環境に生きる人同士が互いに影響を与え合うというのならいいけど、一方的に染められてしまったら……という恐さを彼女は知っていたからこそ、あんなに頑なになっていたんだろうな……と観終わってしばらくしてから感じた。
フロールとは対照的に、女主人のデボラはマイペースというか、いい人なんだろうけどおせっかいで、私が素晴らしいと思う生活はきっと○○にとっても素晴らしいはずという、私を軸に地球は回ってるぐらいの押しの強さで、この傲慢さ加減ってなにかに似ているな……と思ったんだけれども、なんだろうこれ。
物語とは関係ないんだけど、フロール役のパズ・ヴェガさんは当初、本当に英語が話せなかったらしい。でも、ものすごく目力の強い人なので、言葉などなくとも言いたいことがずっしりと伝わってきそうな気がした。目力女優。