滑舌が悪かったり、やけに早口だったりで、何を言っているのか判りづらいお客様との会話が、いつの間にかすっと理解出来るようになるのは、耳が慣れてくるからなのか、周辺情報が増えて推測しやすくなるからなのか云々と、パートさんや上司とひとしきり盛り上がった。
「会話困難な寝たきりのおばあさんがゴニョゴニョ口にするわけのわからない、他の人には理解不能な言葉も、世話をする家族にだけは伝わるあの感じに似ていますね。解りたいと思う気持ちが大事なんですかね」というパートさんのちょっといい話を聞きながら、映画を観ていて判読できる英語がもっぱらスラングというか、罵り言葉ばかりな自分に思い至り、ちょっとどうなの自分と思った。耳とこころがけが、いけません私は。