フランク・オズ監督『おつむてんてんクリニック』

原題は”What About Bob?”。1991年の米国映画。重症の神経症患者ボブ・ワイリー(ビル・マーレイ)と、そのボブに付きまとわれることになる精神科医レオ・マーヴィン(リチャード・ドレイファス)との間のおかしな関係を描く、ブラックコメディ。

おつむてんてんクリニック [DVD]

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拒絶しようとも突き放そうともすがりついたら離れない、治療意欲満点な患者ボブの鬱陶しさには、観ながら何度も「うぜええええ」と声が出てしまった。たしかに「患者が主治医にすがるのはごく自然なこと」だけど、ボブのあのしつこさは相当キてた。描き方次第では恐怖映画としても十分通用しそうな粘着だったよ。ボブの性格がもしあんな(無垢で善良で素直で頭も良い。病気さえなければ文句無し)じゃなかったなら、こんなに愉快な話にはならなかったかも。
'91年作品のわりに映像が古臭く、おまけに変な邦題だったりするけれど、物語自体はテンポ良く、オチまでついて、予想以上に楽しめる作品だった。