テレ東『おりん』第九話・激闘!御三家の陰謀

今回の舞台は木曽川流れる尾張藩。幕府に隠れてどえらいご法度に手を染めている家老・桧垣(典型的な悪代官顔)、かつてその桧垣と意見を異にしたため閑職・郡奉行を押し付けられている大河内静秋(田村亮さん)、御花屋敷で隠居(幽閉)中の尾張藩先代藩主・徳川宗春等がそれぞれの立場でおりんとかかわったり、首領様の手のひらの上で上手いこと踊らされたり、なにされたりと忙しい二時間だった。
とはいえ陰謀部分の描写が多かったせいか人情部分が不足気味で、二時間というわりに薄味な気がした。あと、おりんを追う謎の女子・朱里役で、岡安由美子さんが出ていたので驚いた。この人、昔は元気娘キャラで売り出していたこともあった気がするんだけども、時の流れって容赦ないなあとしみじみ感じてしまった。人のこといえないけども。

  • 木曽川の渡し舟が大雨で麻痺し、やむなく旅籠に足止めされるおりん。若いお侍様と相部屋に
  • 夜宿中が寝静まった頃、三人の男たちが旅籠を急襲し、鉄砲で客等を人質に取った。彼らは黒瀬村の若い衆で、藩が行っている不正な杉の伐採を何とか止めさせたい一身で捨て身の犯行に出た模様
  • 犯人の代理で家老の家まで訴えに行った宿の女将だったが、まったく相手にされず
  • その報告に犯人たちは捨て鉢になり、あわや皆殺し!というところで、おりんとお侍様が機敏に応戦。「俺が何とかするから」と説得するお侍様に一同ほだされ、事なきを得る。お侍様も同じ訴えを携えての(幕府への直訴)旅の途中という
  • 旅籠を出てしばらくおりんと並んで歩くお侍様。自らを大河内逸馬と名乗り、困ったときには郡奉行屋敷へおいでなさいとお優しい言葉(「大河内……」とその名前におぼえがあるっぽいおりん)
  • あやしい女子・朱里、おりんを尾行中。そしてその様子まるごとを監視中の佐介
  • 道すがら、昨夜の立て籠もり犯たちが無残に殺されているのを見つけた逸馬。そこに家老の手下が現れ、逸馬も抵抗むなしくやられてしまう。トドメはなぜか首領様がグリグリっとバッテン斬り
  • 首領、家老のもとに赴き、悪事には目をつぶってやるからおりん捕縛に協力してくれ云々。今回も悪が悪をフル活用。家老曰く「あい、わかった」
  • 逸馬の死に、同僚たち若手藩士は怒り心頭。家老ブッコロス!と意気込むが、郡奉行で逸馬の父上でもある大河内からは「軽挙は慎め」とたしなめられる
  • おりんも逸馬の死を聞きつけ、線香を上げに。その特徴的な殺害方法から、首領の手によるものと確信したおりん、大河内にそのことを教える
  • 大河内家にご宿泊、おりん
  • 相変わらず尾行中の朱里。とそれを見つめる佐介とたくましん
  • 翌日の朝、収まりの付かない若手藩士たちは、登城途中の家老を襲おうとする。が、たくましんに止められる
  • 「俺が調べてやろう」というたくましんに知っている限りの情報を託す、若手藩士
  • ×:杉の密伐採、○:隠し金山(ヤバ度大)
  • お城では、家老や大河内等重臣たちが、江戸から来た田沼意次も交えて会議中。「来春には将軍様が参上されたいとのこと、着々と準備をするように」との命令。生意気な藩は経済的圧迫で抑え込む方式。反対意見は聞きません田沼。ついでに、おりんの捕縛と引渡しも命じる。家老曰く「ま、なんとか、お力添えしましょう」
  • 奉行所を出て、街道の番所前まで来たおりん。芝居一座の座員の振りをし、かなり白々しい演技ながら、コロっとごまかし成功。が、旅籠で一緒だったおじさんに声をかけられ、あっけなく嘘がばれ、役人に追われる
  • 大河内様、おりんは既に出立した後と知り、探し出せと命じる。そこにたくましん登場「若い者たちより事情は聞きました」
  • 今回の手鎖は運慶と快慶(タコ入道とボサボサ頭)
  • 一方江戸では、相変わらず反抗的な田安一派。バカ(の振りをしてる)殿は鬼ごっこがやりたいともごもご。無邪気に戯れる殿と大岡の2ショットは案外気持ち悪い。お幸の方(奥方様)は「どんどんバカが加速している」と大いに悩む
  • 悩めるお幸の方の相談役として今回初登場、おりんの母上・たえ様(梶さん)!今は鎌倉のお寺で尼(如春尼)として暮らしているらしい。その様子をうかがう悪役商会っぽい人の姿が、誰これ
  • 如春尼、お幸の方から仕入れた情報「尾張で不穏な動き」を暗号化。鐘でモールス信号!?ゴーン・ゴン・ゴン・ゴ・ゴーン
  • 各地の尼寺を経由して、尾張の朱里に届いた!スゲー!!というか、朱里は如春尼の腹心なのか
  • 朱里、尾行から手引きへ方向転換。「私は味方です」「お寺に逃げましょう」とおりんに接近。この人の口癖は「今はまだ詳しいことは言えませんが」らしい
  • 途中、田沼に遭遇するおりん。「密書を渡せば助けてやる」(こいつもか!)そこにたくましんが現れ、おりんを逃がす
  • 田沼に「おりんを追うより、足元を見直したほうが良いと大岡様に」伝言を託すたくましん。この人は江戸の情勢を鳩メールで受信してるっぽい
  • 逃亡先のお寺で大河内と再会するおりん。大河内はおりんの両親と旧知の間柄で、父をして「唯一信頼できる人物」と言わしめる好人物で、尾張藩士と将軍御庭番、敵対する組織の一員同士であったがために、衝突する機会もあったが、生真面目で天下万民のために働く姿勢など相通じる点も多くあり、友情が芽生えたそう(ここらへんのホロっとエピソードをたくましんも立ち聞き)
  • 「わたしがおりんさんを守ります」という大河内に、「私はもう、日の当たる場所を歩けない女になってしまったのです」と悲惨な過去を告白
  • 大河内さん、家老におりん取逃がし等々で責められ、牢屋に入れられる
  • たくましんおりんに「これは罠だ!」とか言いつつ報告
  • 背後で糸を引いているであろう首領をねめつけながら「道悦と決着をつけてやる」と飛び出すおりん(たくましん「好きにさせてやれ」と見送る。何その信頼感)
  • 案の定追っ手に囲まれ、鉄砲で撃たれそうになるおりんを煙幕で助太刀する、佐介(今回出番やや多め)
  • おりんが知らずに逃げ込んだ場所は、御花御殿。ここは先の尾張藩主・徳川宗春様が幽閉生活を送る地で、家老も手出しが出来ない屋敷らしい
  • 宗春とその下男(あごが立派な俳優さん)に見つかり、逃げている理由を尋ねられたおりんは「言われ無き罪のために」と答える
  • なんとなくシンパシー感じちゃってる宗春もまた二十年前、吉宗にハメられて無理やり隠居させられたという経験を持つ人で、今回この宗春の"吉宗即ち紀州にくし"な気持ちを田安及び首領一派は利用しようとしているっぽい
  • 後から訪ねてきた家老と首領が甘いオファー「おりんの密書は吉宗将軍就任の裏話」「(それがあれば)紀州は破滅」「宗春様が次代将軍。この世の春再び」(とかなんとかいって、おりんの密書を手に入れるために、利用されてる感ムンムン)
  • とりあえず逃げ出すおりん
  • 信用ならんと解っていても、夢が甘すぎてふらつく宗春様
  • 家老曰く「野望があるなら、尻馬に乗るだけだ!」
  • 密書の重大さに気づいたおりん、もしやこれでは?と、とん平からもらった姉さん人形(紙人形)をあらためるが、何もない(とん平がすりかえたままか)
  • 如春尼様、物思いにふける月夜。亡き夫の幽霊を見る。弱音を吐く妻に「おりんもどこかで同じ月を見ている。案ずるな」と励ます夫。ええ話ですが、幽霊ですし
  • さっき如春尼の周辺を探っていたのは、大岡の手の者
  • ほんとに母と同じ月を見ていたおりん
  • あけて翌日、隠し金山の件を一任された大河内。前日の家老・宗春・首領の密談を聞いた後だけに心配でたまらず様子をうかがいにきたおりん。昨日の宗春に、大河内を煙たがりつつも大いに認めている様子を感じ取ったおりんは、宗春に意見できるのは大河内だけと言う
  • つわりに苦しむ逸馬の妻ふみの姿に、自分の妊娠出産にまつわる壮絶エピソードを打ち明けるおりん「愛する人の子を宿せたあなたがうらやましい」
  • おりんの過去を知った朱里、「子供だけでなく(おりんの)母親のことは思い出さないのか?」と疑問を投げつけ、「詳しいことは言えないが、母上のことも忘れないで。命を大切にして」などと首領との戦いを必死で止めようとする
  • 大河内、宗春のもとへ「幕府との戦などやめてください」云々と、手鎖どもの甘言に惑わされませんようと釘をさしに赴く。宗春も、そんなことはとうに承知なんだろうが、憎しみが大きすぎて止まらない
  • 家老、大河内が目ざわりとばかりに、役人(実は家老が殺した鬼塚)殺害の濡れ衣を着せて捕まえようとする
  • 切腹の準備をして待ち構えていた、大河内さん。家老と刺し違える気で最後の戦いに挑む
  • 私利私欲・家老 対 正義の人・大河内
  • そこにおりんが現れ鉄砲隊を潰す。家老を運慶・快慶が潰す。と敵味方入り乱れてえらいことに
  • 妊婦ふみを人質にするえげつない手鎖軍団
  • 佐介、助太刀
  • 朱里が運慶に攻撃、助太刀。がしかし、反撃にあう
  • たくましん、助太刀。首領(本日は二刀流)と対決
  • その間に朱里に駆け寄り抱き寄せるおりん。朱里は「娘さんとお幸せに」なんて泣かす。重大な事実「あなたの母上様は……」最後まで言えないままお別れ
  • 一方、御花屋敷では宗春が「全てはうたかたの夢か」とうなだれ「行け佐平次!(あごのたくましい人)」と手の者をいずこかへ遣いに
  • と思ったら、首領とたくましんがお堀で戦っているところへ乱入してきたし、佐平次
  • 深追いせずに、適度に首領を追い詰めて任務完了の佐平次
  • おりんは朱里の敵討ちとばかりに、運慶快慶をレオタード姿で成敗。タコ入道に首を絞められ苦しみ喘ぐものの、なんとか脇差でしとめる。闇の鎖また一つ……でめでたし
  • 大河内さんと橋の上でお別れ。餞別をいただく
  • 鎌倉では如春尼ことたえ様が、いまは亡き朱里からの便りをによりおりんの過去を知る
  • 次回、年明け!