テレ東『おりん』第十四話・弥十郎 悲しき再会

副題どおりfeat.たくましん(弥十郎)状態で進んでいく物語は、懐かしい人との再会をきっかけに、今まで全く触れられることのなかったたくましんの過去なども語られたりして、ほー、とか、へー、とか感心しいしい観た。

  • 前半は、ボロボロなおりんが山小屋でお梅ばあ一行に助けられ、山道ではお侍(前田耕陽)一味に追われているお梅ばあの娘・志乃親子をたくましんが助けという感じで二組の偶然の出会いが並行して描かれ、後半は、お志乃を逃がすため捕まったたくましんをお梅ばあが単身助けにゆき、なのに逆につかまってしまったお梅とたくまを今度はおりんが助けに行き、クライマックスには首領・道悦一味が登場、人質に取られたお志乃親子を救うべく全員集合!という、ばたばたした展開だった
  • お梅ばあはお節介なぐらいに親切な、慈愛に満ちたビッグマザーで、お志乃の実母。恋人について家を出てしまったきり帰らない志乃を、あきらめているようでいて、本心では帰りを待ち望んでいる。おりんに人を愛すること、とりわけ、親子愛の素晴らしさについて熱く語っていたのが印象的
  • お梅ばあを演ずる水野久美さんは、老婆メイクがすごかった。実物はもっと若いはず。というか、先日の佐川満男さんの幻魔のときといい、今回といい、このドラマはときどき異様に気合の入った特殊メイクをする
  • 旅程が進むにつれ、人情味の増してきたおりんにここで愛の概念を注入ということなんだろうけど、このころ既に愛っていう言葉はこんなに一般的だったのかなっていう疑問も。だって、バテレンさんが日本人への布教活動において一番苦慮したのが聖書中に登場する愛をどうやって説明するかってことだった(だから大事に思うとか言いかえてたとかとか)……とかいう時代からそんなに、経過してたか。してるかも。まあどっちでもいいけど。それにしたってお梅ばあ、愛、愛、愛、愛、連発してたな。言えば言うほど安っぽく聞こえてきちゃって気になったよ
  • とかなんとかいいつつ小生、お梅ばあの最後には、しっかりほろり
  • お志乃は某藩のお偉方の妾で、本妻亡き今、息子小太郎は嫡男にもなれる存在であるため、我こそは跡継ぎじゃー!と目論む本妻の弟(前田耕陽)らに命を狙われている。この親子にバッタリ会った弥十郎(たくま)もまた、生まれを辿れば妾の子であり、それを生母に代わって育ててくれたのは実は、お志乃の母……ってスゴイ偶然!
  • 前田耕陽の扱いが、ものすごく軽かった(剣術苦手な卑怯者キャラて)
  • お志乃と息子小太郎がラスト、首領一味に人質に取られてしまい、怒りに震えるお梅ばあが「それでも人間か!返せ!」と首領に詰め寄り、逆に斬られてしまうという流れは、なんとなしに副題で予想がついたけども、いざそうなってみると驚いてしまう自分にもびっくり
  • 今週の手鎖人・烏丸は体格だけは相当にガチムチしていたけれども、すごく弱かった
  • 弥十郎(たくま)の過去と同時に、この人の今(バカ殿直属の公儀隠密で、通信手段は伝書鳩)もここ数週でやっとわかってきた。ただ、バカ殿がなにゆえこのことを側近の大岡に教えないのかとか、よくわからんところもまだまだ多い。その所為で今回、大岡の手のものが弥十郎の命を狙って捕獲とか、大変な目にあったんだから、ねえ
  • それにしても、謎にかけてはおりんよりたくましんのほうがよっぽど多いし深い気がする
  • 伝書鳩を放つバカ殿はいつでも、逃がしちゃった風を装うのでちょっと可愛い
  • 首領にとっておりんが持っている(と思い込まれている)密書は、出世へのパスポートなのか。でも、今回おりんが持っている姉さん人形型の密書がダミーと判明したからには、次回からどうするつもりなんだべか
  • 首領ってば、田安と老中に茶器(消耗品)扱いされてた。まあでも、首領自身が人を人とも思わず利用するタイプなんだから、お互い様だ