物語に出てくる(架空の)名曲を聴いてみたくなる。

全編にわたって軽い雰囲気が漂っていた所為か、さくさくと読了。
死への恐怖に日々苛まれているおくやみ欄担当(の新聞)記者が主人公。46歳という設定ながらとても若い印象、というかガキっぽくて憎めない感じ。有名人の享年を暗記して、自分だけでなく会う人会う人の年齢を「○○が死んだ年だ」などと考えてしまうビョーキ持ちっぷりに、ああ、ペーさんの逆バージョンだ……なんて思ったり。
事件の謎解きは若干のモニョり感が残ったのだけれど、結末の爽快感が帳消しにしてくれたのでプラマイゼロ。背表紙にある「気分が冴えない日に最適」との言葉がぴったりの一冊だったように思う。
ただ邦題?に「ロックンロール・ウイドー」と付けたのはどんなもんかなあ……と。
原題のBasket Caseでいいじゃないか……と。心底思いました。★★★☆☆

ロックンロール・ウイドー (文春文庫)

ロックンロール・ウイドー (文春文庫)


物語上、鍵となるミュージシャンの手による曲が頻繁に出てくるのですが、想像力を働かせたところで私の脳内にその曲が流れてくるわけもなく。聴けないからこそ、聴きたいのです。なので是非これはいつか映画化して欲しいなあ……なんて(不純な動機でもって)思う次第。