リーブ・シュライバー監督『僕の大事なコレクション 特別版 [DVD]』

先日この映画を観て以来、何となく落ち着かない気持ちが残っている。それは、ある登場人物が起こした行動の理由が何だったのかわからなかったため生じたモヤモヤなのだが、原作を読んだところでそれがわかるかどうか定かじゃないし、もしかしたら理由なんて…

悪夢がもれなくついてきた。

眉毛無しの夢も嫌だけど、先日、初めて手にしたイーガンさんの短編集を読みながら眠りに落ちたときにみた悪夢はもっとずっとひどかった。本の影響をもろ被りの悪夢。祈りの海 (ハヤカワ文庫SF)作者: グレッグイーガン,Greg Egan,山岸真出版社/メーカー: 早川…

注文してから届くまでの待ち時間が腹正しい。

アマゾヌのカートは気軽にほうりこめすぎるのでとても危険。その危険具合をいまいちど確認した方がいいと思う、自分は。メイプル・ストリートの家 (文春文庫)作者: スティーヴンキング,Stephen King,永井淳出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/10/06メデ…

課題図書。

友達からのメールで、「京極シリーズの最新刊はもう読んだ?」という質問が。ということは、次の集まりの時に感想発表会をやりたいんだろうなと、察せられるわけで、いつか読もうを、さっさと読もうに方向転換せねばねば。 この子からは影響を受ける一方で、…

J.P.ホーガン『ガニメデの優しい巨人 (創元SF文庫)』/『巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))』

『星を継ぐもの』からの続編、続々編で、物語は地球外生命体と人類との思いがけない遭遇から始まり、どんどこ大きな世界へ広がってゆく。『星を…』で感じた理屈っぽさが、この二冊ではなりをひそめて、次から次に起こる出来事やら新たな問題やらで、わくどき…

ジェイムズ.P.ホーガン『星を継ぐもの』

月面で宇宙服を着た男性の死体が一体、発見される。見た目は現代人そっくりであるのに、実際には5万年以上前には死んでいた彼が、どこからなんのためにそこへ来て、どのように命を落としたいったのか云々、世界中から集まった研究者・学者達が意見をたたか…

S.キングさんの短編集を二冊購入。

一話当たりの文章量が、睡眠前に読むには丁度いい(目がしょぼしょぼとしてくる頃にはちょうど結末に辿り着く)ので、毎晩一話のペースで読み進んでいる。いかしたバンドのいる街で (文春文庫)作者: スティーヴンキング,Stephen King,白石朗出版社/メーカー:…

G. ガルシア=マルケス『予告された殺人の記録』

昔故郷で起きたその殺人事件は、「私」の友人であり被害者のサンティアゴ・ナサールとその家族・友人を除く町の住民ほとんどが、予め知っていたものだった。物語は「私」が関係者の話を聞き、記録にあたり、友人が殺されることになった理由、経緯を追いかけ…

連休中に読んだリスト。

アイザック・アシモフ『永遠の終わり』 カート・ヴォネガット・ジュニア 『タイタンの妖女 (ハヤカワ文庫 SF 262)』時間旅行に行ったり、宇宙旅行に行ったり。脳内で。

D.アダムス『銀河ヒッチハイク・ガイド』シリーズ

映画を観たのをきっかけにドはまりした『銀河ヒッチハイク…』シリーズを、河出文庫で出ているヤツ3冊を立て続けに、というか楽し過ぎてとまらず、繰り返しぐるぐるとまわし読みし続けているわたしが、ここ最近で一番感動したこと。 answer to life the unive…

アイザック・アシモフ『ロボットの時代』

以前読んだ『われはロボット』よりも後に起こる、ロボットがらみの出来事を描いた短編集。ロボット心理学者、スーザン・キャルヴィン(この人は人間で研究対象がロボット)も何作かに登場していて、うれしい。彼女のロボットに注がれるあたたかい眼差しがとて…

なんでいままで読まずにきちゃったんだろう。

映画では何度も何度も観ているくせに、原作を読んだのはこれが初めて。半日かけて全7巻を読みながら、何度か泣きそうになったんだけども、その箇所がことごとく、誰かが誰かの盾になるシーンばかりだったのはたぶん偶然じゃない。それこそがわたしの泣きのツ…

重松清『ニッポンの課長』

さまざまな組織に属する、課長(クラス)の人たちをレポートしている本書は、ビジネス誌に連載されていたものをまとめたものらしい。重松さんの本は小説『定年ゴジラ』しか読んだことはないけれど、あたたかみのある文章を書く人という印象があって。小説で…

ジェシー・ハンター『よい子はみんな天国へ』

男の子だけを狙う連続児童誘拐犯・チョコレートマンが、間違えて女の子を攫ってしまったことから始まるハードな二日間。その間の出来事が犯人や被害少女、少女の母親、周辺住民や刑事らそれぞれの目線で順を追って描かれてゆく。 チョコレートマンは主にエド…

読んだ。

物語の舞台となる警察署(D分署)には、目覚しい活躍をする警察官も悪徳警官もいない。いたってまともな感じの警察署なのだけれども、その敷地内のガレージにはちっともまともじゃない謎の自動車が保管され続けている。その車にまつわる出来事を、D分署の警…

見えないけれど、そこにあるモノ。

同時期に読んだり観たりした関係なさそうな(それも恐怖にまつわる)ものどもの間に、偶然の共通点を見出したりすると、ちょっと怖くなったりする。この一冊と一本もそういうものどもだったわけで、必要以上の恐怖感を味わう事ができた。うれしくない。みん…

女傑モノ。

刑の執行が10日後に迫った女性死刑囚ロナ=リーがTV番組のインタビューに答えていた。その姿に、何かしっくりこないものを感じたFBI捜査官のポピーは、再捜査を試みるべく事件の舞台テキサス州へと赴くのだが……というお話。テキサスは眠れない (ヴィレッジブ…

京極夏彦『文庫版 百器徒然袋 雨 (講談社文庫)』

うっかり同じ本を二冊買ってしまったのは今度で3回目。(同じ本というか、同タイトルの本を以前は単行本で購入。それを忘れて今回は文庫本で購入)理由はたぶん、私に小説や音楽のタイトルを記憶する能力が欠けてるから。なんでか憶えられない。とはいえま…

D.ベニオフ『25時 (新潮文庫)』

手元にあるこの本は映画化後の版なので、表紙にエドワード・ノートン演ずる主人公モンティと愛犬ドイルが並んで歩く写真が使われてる。映画をまだ観ないまま読み始め、この一人と一匹の間柄なんて知らない時点では、なんだかしょぼくれた感じの表情だなあ両…

T.H.クック『死の記憶』

ある雨降る午後、家の中に母と兄と姉の死体を残したまま父親が失踪してしまった。主人公スティーブは長年、彼が9歳当時のこの出来事に関する記憶に蓋をしていた。けれど“父親の家族殺し”をテーマに本を執筆中という女性作家との出会いをきっかけに、少しず…

T.H.クック『夏草の記憶』

先日読んだ『緋色の記憶』同様にこの物語でも、小さな町に住み、その小さな世界を嫌悪しそこから抜け出したいという願望を抱いていたかつての少年、今は年老いた男性の一人称で語られており、彼が自身の記憶を紐解きながらある事件の真相を明らかにしてゆく…

週末に読んだ本。

ヴードゥー・キャデラック (文春文庫)作者: フレッド・ウィラード,黒原敏行出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2003/07メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (8件) を見る長くて数ページの章ごとにタイトルがつけられており、まるで映…

グレイス・ペイリー『最後の瞬間のすごく大きな変化』

ここしばらく、寝る前に読んでいる本。最後の瞬間のすごく大きな変化 (文春文庫)作者: グレイス・ペイリー,村上春樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2005/07/08メディア: 文庫 クリック: 17回この商品を含むブログ (43件) を見る実際は紙の上の文字を目で…

ポール・オースター『リヴァイアサン』

ウィスコンシンの道路脇で、製作中だった爆弾を暴発させ死んだ身元不明遺体として発見された友人(で元作家の)ベンジャミン・サックスについて、なぜどうやって彼がそこに至ったのかを、その友人であり作家のピーターが語ってゆく形ですすめられる物語。と…

フリオ・イグレシアスの曲で条件反射的に勃起する人。

阿部和重の『インディヴィジュアル・プロジェクション (新潮文庫)』を読了。 かつて映画学校に通い、その卒業制作を機に故郷の怪しいスパイ養成塾と出会い行きがかり上入塾、どっぷりとはまりこんでいたそこでの活動も塾長のおイタによりに行き詰まり脱退、…

ポール・オースター『シティ・オヴ・グラス (角川文庫)』

妻と子を失って以来、独りぼっちで暮らしていた作家クィンの元に間違い電話がかかってきた事から始まる物語。電話の主は彼を探偵と思いこみ、仕事を依頼。クィンは好奇心からその誤解に乗り探偵になりすます事にするのだけれど、依頼者の言うような事件は起…

アイザック・アシモフ『アイ・ロボット』

手に取るまで、ウィル・スミス主演映画の原作と勘違いしていたこの本に、サニーは出てこない。ロボット心理学者のスーザン博士を語り部にして、ロボットの開発やその運用時に起こった色々な出来事が描かれている短編集で、全部のエピソードにロボット工学の…

東山彰良『逃亡作法』

枠におさまり切らないアウトローな人達の物語にこんなにも引きつけられるのは、私が平凡極まりない存在だからなのだろうなシリーズ。久々、ドはまり。 刑務所モノの物語なので、主人公はじめ大抵の登場人物が道を外れた人ばかりなはずなのに、どうにも憎めな…

コジコジはいつだってコジコジだよ。

1〜3巻まで揃えたきり結末知らずのままでいた本が、実は4巻まで出ている事を本日知りました。で即注文。 メルヘンの国に住む、コジコジをはじめとするちょっと変わった人(?)達のお話で。作者、さくらさんの(悪ふざけとしか思えない)対象年齢を度外視し…

証拠は嘘をつけない。

この二冊を代わりばんこで読んでいます。証拠は語る FBI犯罪科学研究所のすべて (ヴィレッジブックス)作者: デイヴィッドフッシャー,David Fisher,小林宏明出版社/メーカー: ソニーマガジンズ発売日: 2002/12メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 4回この商品…