『-less(レス)』

店頭のPOPに「『ソウ』を超える恐怖!」と書かれてあるのを目にし釣られてみたものの、観終わってみて、そりゃ言い過ぎだろ、と思った。確かに両作品とも、理解不能な状況に放り込まれた主人公たちが「なんで、私たちなんだあ゛ーーーっ!?」となる部分は被ってはいる。けど、それだけ。超えては、ない。

この作品では、クリスマスに母方の祖母宅を訊ねるため、1台の車で移動中のとある家族が主人公。長いドライブで疲れてきて、互いにぴりぴり険悪ムードになる、あー、あるあるてな家族のやりとりから始まり、その後、ハンドルを握る父上のうとうと居眠りに端を発する出来事から、どんどこやばめな方向に物語は進んでく。
危機的状況下で、家族は徐々に追い込まれ、壊れ、それでもほのかに希望はあるようで、ないようで……。時にホロリとさせられ、そしてウエエエェ?!って自分、結構楽しめたんじゃないか。
『ソウ』と比較したりしないで、答えを求めたりしなければ面白い作品でした。80点。