重松清『ニッポンの課長』

さまざまな組織に属する、課長(クラス)の人たちをレポートしている本書は、ビジネス誌に連載されていたものをまとめたものらしい。重松さんの本は小説『定年ゴジラ』しか読んだことはないけれど、あたたかみのある文章を書く人という印象があって。小説ではないこの本でもやっぱり、あたたかかった。人情味豊かというか。

ニッポンの課長 (講談社文庫)

ニッポンの課長 (講談社文庫)

食べ物の嗜好が年を取るにつれ変わってゆくように、読書の好みも少しずつ変わってゆくのかもな……なんてことを、昔だったら興味すら涌かなかっただろう部類のこの本を読みながらしみじみ思った。そのうち戦国武将モノなどにまで手を出しそうで、われながらこわい。