上司が窓から下の駐車場を見下ろしギョっとした顔をしているので、なんですかとばかりにわたしも見てみたらば、そこには車の運転席から降りて、ゆっくりよろよろと歩く老人の姿があった。上司はどうやら、歩くのもやっとといったその老人が車を運転していることが恐ろしく感じたらしい。(あんなの絶対事故っちゃうよ!とかって失礼なこと言ってた)
かたやわたしが頭に思い描いたのは、あんな風に地上を歩くのはおぼつかないけれど、ハンドルを握ると水を得た魚となり、レーサー並みのドラテクを披露しちゃう、そんな老人の姿だった。想像しながら思わずにやついてしまったわたしを上司はいぶかっていたけども、説明が難しいので「思い出し笑いです」と言っておいた。