週末に読んだ本。

ヴードゥー・キャデラック (文春文庫)

ヴードゥー・キャデラック (文春文庫)

長くて数ページの章ごとにタイトルがつけられており、まるで映画のシーン割りみたいな感じの構成。各章は主人公・脇役、色んな登場人物を中心に描かれてるから、各人の人物像が掴みやすく、読みながら行われる脳内上映会もスムースに進んだ。
物語は、元CIA工作員が、リストラされた腹いせにでっち上げの秘密任務でCIAを後援する富豪から大金をせしめようとするのだが、レイとピーナツ、二人のチンピラに横槍を入れられてしまい計画は思わぬ方向に…というようなお話。こうやってかいつまんであらすじを書き出してみるとちょっとシリアス作品っぽいけれど、実際はハードボイルドな出来事に、次々出てくる個性豊か(でとってもキテレツな)な登場人物たちが乗って反って翻弄され、てんやわんやの大騒ぎ!てな感じの愉快なお話でありました。
この筆者、物事は深刻に考えたら負けとでも思ってるのかな。ただ人を楽しませるのが上手いだけかもしれないけど。
緋色の記憶 (文春文庫)

緋色の記憶 (文春文庫)

上の本とは対照的に、ズドーンと気持ちが沈み込んだ一冊。