T.H.クック『夏草の記憶』
先日読んだ『緋色の記憶』同様にこの物語でも、小さな町に住み、その小さな世界を嫌悪しそこから抜け出したいという願望を抱いていたかつての少年、今は年老いた男性の一人称で語られており、彼が自身の記憶を紐解きながらある事件の真相を明らかにしてゆく体で物語は進む。
- 作者: トマス・H.クック,Thomas H. Cook,芹澤恵
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1999/09
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 16回
- この商品を含むブログ (24件) を見る
腹立つわー。とか言いながらも一気読みしてしまったのはなぜかと言えば、ぼつぼつとした語り口で、真実につながる情報を小出ししてくるので、次が気になって中途で止められなかったから。お陰でここ数日睡眠不足。〈記憶三部作〉でもう一冊待機中なのでまだまだ眠れない模様。
それにしても、クックさんはやらしいぐらい巧い作家さんだなと思う。